「団塊の世代」がリタイアする時代を迎えています。テレビも新聞・雑誌もそれに焦点をあてた広告や特集の花盛りですね。
旅行業界も、「団塊の世代」をターゲットにした企画、花盛りですが・・・、航空会社の方はどうなんでしょうか?
ANA、JALは、それぞれ、「シニア空割」、「当日シルバー割引」という高齢者向けの運賃設定があります。対象は「満65歳以上の方が、ご搭乗日当日、出発空港にて空席がある場合にご利用いただけます」(JAL)ということで、両社とも同じです。運賃は、下記の通りで、金額は、ANAの例ですが、両社とも横並びです。(離島区間などはこれより安い設定があります)
◎ 2011年5月6日~8月4日、8月22日~12月21日、2012年1月5日~3月15日
1区間 12,000円
◎ 2012年3月16日~3月24日
1区間 15,000円
◎ 2011年8月5日~8月21日、12月22日~31日、2012年1月1日~4日
1区間 16,000円
「シニア空割」、「当日シルバー割引」は、「団塊の世代」をターゲットにした企画というよりも、もとから有った運賃なんですね。今後、「高齢化社会」を迎え、「団塊の世代」がリタイアして旅行頻度がアップするとすれば、「シニア空割」、「当日シルバー割引」など高齢者向けの運賃が「どうなるのか」興味あるところです。(来年になったら、自分も該当しますので、余計に)
現在の「シニア空割」、「当日シルバー割引」は、「当日、出発空港にて空席がある場合」ということになっています。いわゆる「空席待ち利用」ですから、「空気で飛ばすよりはお得」ということなんでしょう。今は、超繁忙期を除けば、空席が無い便は滅多にありませんから、空港にいけば、この割引きでほぼ乗れるようです。
しかし、「団塊の世代」が押しかけるようになったら、果たして、この運賃、実際使える運賃として機能するのか、少々疑念があります。ANAは「65歳を過ぎたら、日本はまるごとあなたのものだ」と宣伝していますが、「空気で飛ばすよりはお得」から「収益源」へがめつく転換するなんてことはないでしょうね?折角、高齢者向きの運賃を設定するなら、利用する方も、気持ち良く乗れる運賃・システムにして欲しいですね。
「シニア空割」、「当日シルバー割引」の利用方法
① 生年月日を証明する公的書類の確認が必要です。通常は、資格が発生したら、ANA/JALのマイレージカード+公的書類(運転免許証・パスポート・健康保険証など)を持って、ANA/JALの窓口(空港カウンターなど)へ行けば登録手続ができます。
② 当日、空港窓口へ行き、空席があれば、航空券を購入して搭乗できます。当日に往復する場合、復路に空席があれば、往路の空港カウンターで、まとめて購入・搭乗手続ができます。乗り継ぎの場合も、3区間まで、空席があれば、最初の搭乗する空港のカウンターで、往復の場合と同じように、まとめて購入・搭乗手続ができます。(これはANAの場合ですが、JALもほぼ同じと聞いています)
③ 航空券そのものは、事前に購入可能ですが、搭乗日・便の指定はできません。航空券の有効期間は航空券の発行日、および発行日の翌日から起算して90日間ですので、頻繁に特定路線を利用する場合、事前購入することもできます。
④ ANAのプレミアムクラス、JALのJシート、Fクラスも、当日空席があれば差額を払えば利用可能です。料金は、他の運賃利用と同額で、プレミアムクラスの場合7,000円、Jシートの場合1,000円、Fクラスの場合8,000円となります。
以上なんですが、ANA、JALのヘビーマイラーとして、気になることが1つ。ANAとJALでは、マイルの加算割合が違うんです!
JALの「当日シルバー割引」の場合、他のスーパー特割など正規割引き運賃と同じく、75%加算、そして、Fクラス利用なら125%加算、クラス J利用なら85%なんです。ところが、ANAの「シニア空割」は、ツアーや格安運賃と同じ、50%加算なんです。(プレミアムクラス利用の場合、更に50%加算はあるようですが・・・)
ほぼ同じ条件の運賃で、マイルやPP/FOP加算でこんなに格差があったら、両社に乗っているヘビーマイラーなら、当然、空席があれば、JALの方を選んでしまいます。
ANAも、土俵を同じにするために、75%加算へ是非改善をお願いしたいところです!!