iOS8の「EUインターネット」/VodafoneIEのSIMで |
EU(ヨーロッパ)連合内のローミングが大きく変わろうとしています。EUの欧州議会、今年4月、通信分野で、「単一市場の創設を目的とした通信規制改革案」を可決。EU域内の他の国で携帯電話を使用する際のローミング(相互接続)にかかる上乗せ料金の廃止や、「ネットワーク中立性」の原則など、新ルールが導入されます。
これに基づき、EUは、2015年12月15日から、EU内でのローミングチャージを禁止にし、EU内のSIMカードを挿した携帯電話の場合、音声通話、SMS、データ通信について、ローミング料金の徴収不可になるようです。併せて、「ネットワーク中立性」の原則の具体化として、一部携帯電話会社が行っている、IP電話やスカイプなどの規制なども禁止されます。
利用者からみたら、ローミング料金が不要になり、IP電話やスカイプなどが問題無く使えるようになり、改善の部分が多い感じです。
EU内でのローミングチャージの禁止ですが、詳細は不明ですが、契約回線(ポストペイド)だけが対象となるなのか、プリペイド回線(旅行者が使うことの多い回線)も対象になるのか・・・。ただ、EU内の各国、プリペイド回線が主流の国も多いので、恐らく、プリペイドSIMカードも、ローミング料金の徴収不可の対象になりそうな感じがします。
ただし、日本などのEU外のSIMカードは、この規制の対象外で、従来通り、高いローミング料金が必要です。あくまでも、EU内で、EU内各国のSIMカードを使う場合の話です。
このEU内でのローミングチャージの禁止、プリペイドSIMカードも対象になる場合、ヨーロッパでデータローミングに使うSIM、お薦めは、今までと違ってくる可能性が有ります。
現在は、VodafoneIT(イタリア)のSIMカード=1日/500MB/3ユーロ、VodafoneIE(アイルランド)のSIMカード=1日/200MB/2.99ユーロなどが、EU内の他国データローミングでお薦めSIMカードとなっています。しかし、2015年12月以降は、これらが廃止され、イタリアやアイルランドの自国データ定額プランを使うことになる可能性が有ります。
となれば、今後、ヨーロッパへ行く人、どのSIMカードを買うのか、悩めるところだと思います。今、ローミング用に、一番人気のVodafoneIE(アイルランド)のSIMカードの場合、アイルランド内のデータ定額プランは、オプションとして、1日/500MB/3ユーロ、7日/2GB/10ユーロ、30日/7GB/20ユーロの3種類が基本です。これがそのままEU内ローミングでも使えるのであれば、大体の旅行者ならお得だと思います。それに加えて、VodafoneIE(アイルランド)は、データ定額の「Red」キャンペーンを頻繁にやっているので・・・。
いずれにしても、EU内でのローミングチャージを禁止を受けて、EU内、各国のキャリアは、データ定額プランの見直しをするはずですので、どこの国のSIMカードがお得なのか、サーチが必要となりそうです・・・。
iOS8にも「EUインターネット」設定が登場・・・
iOS8~ドコモのMVNO/IIJのSIMカードを挿した画面 |
iOS8から、「EUインターネット」という設定が増えています。設定>モバイルデータ通信を開いたら、「データローミング」に並んで、「EUインターネット」という項目が表示されるようになっています。これは、EUのローミングチャージ廃止という方針を受けて、設定されたようです。
ただし、この表示は、EU内のSIMカードを挿している場合のみ表示されますから、日本で、日本のSIMしか使わない方は気づかないと思います。
このブログのトップの写真(スクリーンショット)に、「EUインターネット」の項目が表示されていますが、日本で、SIMフリーのiPhone6Plusに、VodafoneIE(アイルランド)のSIMカードを挿したものです。ソフトバンクにローミング中ですが、EUのSIMカードなので、「EUインターネット」は表示されています。ただし、日本でローミングということで、操作はできない状態になっています。
この項の写真(スクリーンショット)は、同じSIMフリーのiPhone6Plusに、ドコモのMVNO/IIJのSIMカードを挿した画面ですが、こちらはiOS8でも、「EUインターネット」は表示されていません。
現時点では「EUインターネット」の設定をOFFに・・・
EU内で、iOS8を使うiPhone6などに、EU各国のSIMカードを挿した場合、設定>モバイルデータ通信>EUインターネットという形で、「EUインターネット」が表示されます。
VodafoneIE(アイルランド)のSIMカードなど、EU各国のSIMカードを使って、EU内で「データローミング」をONにした場合、「EUインターネット」も、自動的にONになるようです。日本などEU外で、ローミング中は、トップの写真のように、「EUインターネット」は表示されますが、OFF状態のまま、操作はできません。
ただし、ローミングチャージの禁止に対応したサービスは開始されていないので、現在、「EUインターネット」の設定がONになっている場合、APN:EUInternetに固定されしまい、データローミングができなくなります。
ですから、現時点では、iOS8を使うiPhone6などを使い、EU内でデータローミングを開始する場合、「データローミング」設定をONにすると同時に、当面、「EUインターネット」をOFFに切り替えておく必要があります。
恐らく、2015年12月以降、EU内のSIMカードでを使う場合、「データローミング」をONにし、更に「EUインターネット」をONにすれば、EU圏内だけデータローミング料金が不要になり、各国・キャリアのデータ定額料金が適用されると思われます。
その場合、ローミングチャージの禁止で、各国・キャリアのデータ定額料金がそのまま単純に適用されるのか、APN:EUInternetと共通なので、新たな共通というか、標準的なデータ定額料金が設定されるのか、など詳細は不明です。また、EU各国に多いMVNOの扱いはどうなるのか・・・
SIMフリーiPhone~海外で使う場合、MVNOの「構成プロファイル」に注意→一旦削除を
iPhone6PlusにIIJの「構成プロファイル」を設定 |
iPhoneの場合、SIMフリー端末でも、キャリアのSIMカードは、自動認識されて、APNも自動設定されます。しかし、MVNOのSIMカードを使っている場合、APNを設定するため「構成プロファイル」を入れる必要があります。
海外に持ち出した場合、この「構成プロファイル」を設定したままだと、APNの設定が固定され、海外他社のSIMカードで、データ通信は不可になります。ブログにも時々、海外のSIMを挿しても、音声通話はできるが、データ通信ができないという書き込みが有りますが、これが原因の場合が多いようです。
この場合、一旦、「構成プロファイル」を削除すれば、データ通信可能となります。日本に戻って、再度「構成プロファイル」を入れてやれば、日本のMVNOが使えるようになります。私の場合も、上記写真のように、iPhone6Plusに、ドコモのMVNO/IIJのSIMカードを入れていますので、海外では、一旦削除、日本に戻ったら、再設定を繰り返しています。
また、もう少し簡単に、「構成プロファイル」のアプリで、APNを切り替えられるものも有りますが・・・。
先週までパリに滞在していました。
返信削除iPhone6 SIMフリー機にOrange「Mobicarte」を挿すもデータ通信が出来ず。Orangeの2店舗をハシゴしましたが、店員もお手上げ。
途方にくれ、友人のAndroidで(こちらは問題なくMobicarteが機能)原因を検索していた際に、こちらのページを発見。早速「MVNOの構成プロファイル」を削除し、見事データ通信が可能になりました!
その後現地でいろいろトラブルがあり、メールとインターネットが必須だったため、こちらで解決方法を得られて本当に助かりました。どんな検索ワードでこのページを発見できたのか記憶にないのですが、この出会いに感謝するのみです。ありがとうございました。