2015年4月17日金曜日

ANAの国際線予約システム更新~4月12日リニュアール 「ITでは競争せず」ですか・・・ 事前周知の不十分さとトラブル発生の原因は? 海外発券は便利に!

 
  ANAの国際線予約システムが、4月12日、リニュアール更新されました。このリニュアールについて、「失態」だとか「考えられない更新」だとか、批判している人も多いようです。
 この国際線予約システム、色々いじってみましたが、私の既予約分、予約番号の変更はありましたが、特にトラブルもなく、不満はありません。
 私が、国際線で主に利用している海外発券も試みましたが、こちらは便利に使い勝手の良いものになっていて、騒いでいる皆さんとは、かなり乖離がある感想になっています。

 確かに、今までのANAの国際線予約システム、自社システムで、手取足取り、とても親切な仕組みでしたから、それに比べたら、更新後は、アマデウス利用のグーロバル化、そんな日本的な「おもてなし」が期待ができないものになっています。更に、更新のバグもあるようです。
 
 新しいシステムのやり方とバグは分けて考えるべき・・・
 

 まず、今回のANAの国際線システム更新ですが、コスト削減のリニュアールです。ANA、国際線のシステム、今回の更新で、今までの自前のシステムから、アマデウス利用のアウトソーシングへ移行しています。国内線は、従前通り、自前のシステムでこちらはほとんど変わっていません。

 この更新の狙いについて、『ITに競争優位性を求めず、「自前」から「利用」へ』への転換があるようです。
 下記のインタビューで、ANAの幹部は「ITの世界では、システムを自社で構築する「自前主義」から、(自前のシステムを持たず、既存のサービスを活用する)「利用主義」への移行が進んでいます」「当社の国際線のシステムは、25年前に国際線に参入する際に構築したシステムをずっと使っていたのですが、競争が激化するグローバル市場で勝ち残るために、自前主義からより合理的な利用主義への移行が必要だと考えました」(ダイヤモンド社のIT&ビジネスから引用)と説明しています。

http://diamond.jp/articles/-/17789
 
 ANAは、国際線のシステム、自前の投資を止めて、グローバルスタンダート化することにして、アマデウス対応にしたようです。それに併せて、手取足取りのWEBサービスを見直したようです。

 通常、システムのリニュアールということであれば、ユーザーは、「改善を期待」しますが、今回は『合理的な利用主義への移行』で、今までの自前サービスの「そぎ落とし」を含めた見直しなので、乖離が大きくなっているようです。

 新しいシステム、お仕着せパターンの予約が表示され、その中から選択して予約するスタイルになっています。単純旅程の往復や途中降機しないオーソドックスの旅程なら、問題ないとは思いますが・・・。
 ただ、特典航空券の予約も含め、あちこち経由したり、運賃、乗り継地や乗り継便などを工夫したいヘビーユーザーにはとてもやりにくいシステムになっています。

 ANAの場合、国際線WEBシステム利用のユーザーは、約20%と言われています。更に、このユーザーの内、近距離国際線など、単純往復旅程を予約する顧客の比率はがかなり高いようで、今回のシステム変更で影響を受けるユーザーは限られるはずです。

 しかし、今回の更新、①ITで他社とは競争しない、②コスト削減ということで、ヘビーユーザーのニーズがばっさり切り捨てられ、騒ぎになっている感じです。
 この騒ぎ、バグの解消は当然の要求ですが、システムが変更されている部分、ANAが割り切ったところではないかと思いますから、騒いで、「今までと同じようなサービス」の復活を期待するのは難しいと思います。

 できれば、「改善」をして欲しいとは思いますが、ヘビーユーザー、自分で、工夫して思いの予約を入れる方法を見つけるか、素直に、ANAデスクにお願いして、手数料を払って予約するかになりそうです・・・

 次に、バグや事前周知の点です。これはANAのミスだと思います。システム移行に伴い、CRS対応の予約番号が変更されるのに、事前周知されていませんでした。旧番号でも、検索できるようですが、不親切きわまりない話です。

 更に、一時的な話のようですが、予約が消えたりなど、特典の空席枠がないのに表示されたり、移行に伴うバグがかなりあったようです。

 このトラブルになっているのは、4月11日以前の予約です。私の場合、海外発券も含め、ANAの国際線の4月11日以前予約を7つほど持っています。予約番号が変更になったり、予約一覧表示が出発順でなくなり、予約番号順に変更されたりしていますが、予約内容はWEBから確認でき、トラブルはありません。12日以降の予約は、最初から、アマデウス対応で予約が作成されており、バグ等もないようです。

 今までの自社の手取足取りシステムとは違いますから、当然のことながら、「今までできていたことができない」、予約番号の変更、バグなどで、問い合わせの電話が殺到し、電話が繋がらないという背景にもなっています。

国際線の予約~通常の予約なら問題ない感じ

 新しいシステムで、日本発の国際線予約チェックしてみました。検索したのは、東京発チェコ・プラハ往復、9月中旬ですが、出発地、到着地、日程を入れたら、下記のように、運賃選択、便の選択が表示されました。

 乗り継地は、パリ、フランクフルト、ミュンヘンとANAの直行便が有る都市で、どの乗り継地を選ぶかで、運賃が+500円~2,500円程度違ってきます。

 乗り継都市の選択肢は表示されますが、乗り継便を1便、2便遅くするなどの、工夫は簡単検索ではできないようです。その場合、「複数都市」の旅程を選択して、乗り継便を選択するなど工夫が必要なようです。

 また、今回、乗り継地は、同じヨーロッパで問題有りませんが、これをアジアのバンコク、北京などにする場合、異なるゾーン経由となり、WEBで予約・発券は不可になっています。今まで、可能だったものが、新しいシステムで、対応不可のものが幾つかあるようです。
 これはバグではなく、「変更」ですね。まあ、異なるゾーン経由の問題は、特典航空券も、すでに異なるゾーン経由は利用できないよう「改悪」されていますから・・・。

 
 
 
 上記で、往路、復路のフライトを選択し、「次へ」をクリックしたら、下記の旅程、支払い金額、適用運賃、積算マイルと必要な情報がまとめて表示されます。
 
 
 

 
海外発券は便利に・・・日本サイト・円建てOKに!
 
 その一方で、今回の国際線予約、新しい更新システムは、海外発券はかなり改善されています。ヨーロッパ発の場合、WEB予約・発券、対象国大幅に拡大されており、例えば、今まで不可だったプラハ発も可能になっています。

 海外発券の場合、一旦、海外へ出かけて、その航空券、海外から使う必要が有ります。私の場合、TK(ターキッシュ)の特典航空券、片道発券を使って、ヨーロッパまで飛んで、TKやANAの海外発券をよく使います。最近、TKに限らず、JALも、片道の特典航空券OKになっており、片道OKの航空会社が増えていますが、ANAは2区間以上なので、未対応です・・・。
 
 プラハ発日本往復、下記写真のように、エコノミーLクラス(ANAマイル加算30%)の最安値は、諸税・サーチャージ込み総額62,290円です。UPグレード可能なHクラス(ANAマイル加算70%)でも、諸税・サーチャージ込み総額138,800円でお得な運賃が買えます 。日本発と比べたら、制約も緩く、破格の価格になっています。
 下記写真は、日本サイトから、検索したものです。プラハ発日本往復の運賃、JALやTKなど各社の設定が有りますが、恐らく、ANAが一番安い部類に入ると思います。

 また、UPグレードの空席表示も、同一画面で可能となっています。下記の検索では、往路、ミュンヘン経由なら、「UPグレード 空席あり」となっています。購入と同時に、マイルかUPグレートポイントで手続きできます・・・。
 
 リニュアール前、ANAのWEB海外発券は、現地サイトを利用し、現地通貨建、クレジットカード決済必須となっていました。
  今回の新しい更新システムでは、日本サイト、現地サイトのどちらでも購入可能になりました。更に、日本サイトでは、円建て決済が可能となり、円建て運賃=TTS換算で、海外サイトのクレジットカード決済換算レートと比べお得な感じです。

 更に、海外発の決済方法ですが、クレジットカード決済だけでなく、日本サイトで発券する場合、日本発と同様、SKYコイン、SKYコイン+クレカ併用がOKになっています。しかも、SKYコインについては、旅程をキャンセルした場合、払い戻しも可能となりました・・・
 
 

2 件のコメント:

  1. シニア旅人様
    いつもTwitterと合わせて拝読しています。
    今回のHPリニューアル、
    僕もプラハ発券には注目しています。
    もっとも、そもそもプラハ発券について知ったきっかけはシニア旅人様のブログですが(^_^;)
    今まではエクスペディアなどからじゃないと購入できませんでしたが、
    今後は直接購入できますね。
    あとはシニア旅人様のおっしゃる通りSKYコインの使用や、
    スマトラカード決済でポイント3倍などを活用すればなかなか良さそうです。
    Fの特典航空券は遠くなったので、
    NH以外だと今後はTK のCでヨーロッパやTGのCでインドやインドネシアをストップオーバーしながら旅行するのが良いかなと考えています。

    返信削除
  2. ANAの新システムでの使い勝手(使いにくさ)はアマデウス採用とは関係なさそうに思います。アマデウスを採用する航空会社は多くあり、各社仕様は様々です。アマデウスというパッケージがあり、各社が自社用にカストマイズして開発するわけですから、今回のANA仕様はどう考えてもネットだけですべてをこなしたいユーザーにとっては使いにくい仕様に仕上げたといえるでしょう。ANAがもともとそういう仕様でよいと思っていたかどうかは外部の者にはわからないでしょう。ネット上の評価もいろいろです。それと、私が使用した限りバグらしきものはたくさんあります。ANAもそれがわかっているからHPでエクスキューズしているのでしょう。ちなみに開発担当は日本を代表するコンピュータ、電機、通信メーカーであるN社ということです。

    返信削除