2014年9月6日土曜日

中国移動通信のWiFiルーター 「HUAWEI E5375」(TD/FDD-LTE対応)購入 ドコモのLTE/2100MHz帯(B1)にも接続OK~万能タイプのグローバルルーターのよう!

 

 中国の最大手携帯電話会社「中国移動通信」が販売している、グローバルWiFiルーター、FDD-LTE /TD-LTE 両対応の「HUAWEI E5375」、Amazonの通販で手に入れました。価格は、送料も入れて、約1万5千円です。
 ebayの通販でも、1万2千円~2万円程度で買えるようで、セット販売商品の横流しなのか、それとも「中国移動通信」が単体販売をOKしたのか、分かりませんが、幾つか購入できる通販サイトが有るようです。

FDD-LTE /TD-LTE 両対応~グローバルルーター

 4G=LTEに対応しているWiFiルーターは、沢山有りますが、4G=LTEの規格は、日本も採用しているFDD-LTE 対応のものがほとんどです。4G=LTEの規格は、2種類有り、日本を始め欧米各国は「FDD-LTE 方式」をとっていますが、中国、インドなど新興国の一部では「TD-LTE 方式」を導入しており、相互の互換性は、現時点では有りません。中国でも、「中国移動通信」及び第2の携帯電話会社「中国聯通」に、「FDD-LTE 方式」の開設免許が下りたといわれていますが・・・

 「TD-LTE 方式」は、一つの周波数帯域で、下り・上りを分割・切り替えて使うのに対して、「FDD-LTE 方式」は、異なる周波数帯をまとめて下り・上りを使うようです。「TD-LTE 方式」は、周波数の効率的利用はできますが、ベストエフォートは、1つの周波数帯域を分割・切り替えて使う影響も有るのか、「FDD-LTE 方式」の方が優位のようです。
 4G=FDD-LTE方式の接続速度、ベストエフォートは150Mbps、4G=TD-LTE方式のベストエフォートは 100Mbpsとなっています。

 「HUAWEI E5375」は、ルーターに「中国移動通信」のロゴが付いていますが、「中国移動通信」がセット販売しているもので、「TD-LTE 方式」の3バンドに対応したWiFiルーターとなっています。中国では、最大手の「中国移動通信」は、「TD-LTE 方式」を導入しており、LTEは、「FDD-LTE 方式」の端末は使えません。接続設定は、当然ながら、中国で使うことを前提に、「中国移動通信」用になっていて、「中国移動通信」のSIMを挿せば、自動的に、データ通信可能となっています。

 ただ、「HUAWEI E5375」は、「中国移動通信」がセット販売しているにもかかわらず、SIMフリー設定になっています。更に、海外で使えるように、FDD-LTE規格やW-CDMAにも対応しており、グローバルWiFiルーターになっています。

 「HUAWEI E5375」は、日本で使えるのか?

 「HUAWEI E5375」の周波数、海外使用の場合、FDD-LTEの4Gになりますが、香港使用で使用されている周波数を念頭に、公式には、B3=1800MHz、B7=2600MHz対応となっているようです。日本の周波数、B1=2100MHzなどは、基本的にサポート対象外のようです。
 ところが、「HUAWEI E5375」は、グローバルルーターとして設計されているようで、FDD-LTEの4G周波数、公式発表以外の周波数にも対応しているようで、やってみた結果、B1=2100MHzも使えることが分かりました。
 「Network Serach」では、AU、ソフトバンクのLTEサービス選択も表示されましたので、ドコモだけでなく、AU、ソフトバンクもLTEサービスを使えそうです。

 ただし、デフォルトは、「中国移動通信」の設定がされており、日本のSIMカードで接続するには、設定変更する必要が有ります。
 この接続設定、公式サポート外、日本のSIMカードで設定する場合、ナカナカ面倒で、中国語の「快速入門」=説明書と付き合い、丸一日、「管理画面」を呼び出し、APNなどの設定をいじりながら、「No Service」表示と5時間近く格闘しました。

docomoのLTE電波網へ接続に挑戦・・・

① まず、定番のhttp://192.168.1.1で、「HUAWEI E5375」の「管理画面」を呼び出します。最初、自宅のデスクトップで挑戦したのですが、これが難航しました。http://192.168.1.1を入れても、下記の「管理画面」が開けないのです。

 
② 仕方なしに、「iPad mini」で挑戦しました。まず、「設定」→「WiFi」を開き、「ネットワークを選択」を表示します。ネットワークの一覧が表示されますので、「HUAWEI-E5375-60**」の「HUAWEI E5375」を選択します。
 選択したら、「iPad mini」と「HUAWEI E5375」をWiFi接続が開始され、「HUAWEI E5375」のパスワードの入力が求められます。「HUAWEI E5375」の裏ブタの内側に記載して有る「WiFi Key」を書き入れます。 
 


 

③ そうしたら、http://192.168.1.1が開き、下記のような「Log In」を求める表示がでました。「User name」に「admin」、「Password」に「admin」を入れて、ログインします。これで「管理画面」への接続は完了です。なお、初期設定は、中国語になっている場合も有りますが、右上のタブをクリックして、英語に変更できます。
 


 ④ そうしたら、Home以外に、「Statistics」、「SMS」、「Update」、「Settings」という設定項目が表示されます。「Statistics」は現在の接続状況などが確認できます。また、「SMS」では、SMSの送受信が可能なようです。
 そして、今回使うのは、「Settings」になります。「Settings」を開いたら、「Quick Setup」、「Dial-up」、「WLAN」、「Security」、「System」の設定項目が表示されます。この内、「Quick Setup」、「Dial-up」、「WLAN」の3つを使うことになります。
 
 「Quick Setup」は、名前の通り、簡易設定になります。iPhone5sからアクセスした場合、この「Quick Setup」と、「Statistics」、「SMS」の3つしか表示されません。
 通常は、「Dial-up」を開いて設定します。

 「Dial-up」の設定画面ですが、「Mobile Conection」、「Profile Management」、「Network Settings」の3っが有ります。下記は、「Network Settings」の画面です。
 
 
⑤ ここからが試行錯誤したところです。まず、「Profile Management」で、ドコモのMVNO/iijのSIMカードの情報、ユーザー名、パスワード、APNを新規登録・保存します。APNの種類は、「Static」と「Dynamic」が有りますが、「Static」を選択します。
 新しい接続先(今回はドコモのMVNO/iij)の登録が完了したら、「Mobile Conection」を開きます。デフォルトの設定は、CMCC=中国移動通信になっていますから、タブの中から、「iij」を選んで、変更し、保存します。
 
 そして、最後に、「Network Settings」を開いて、ネットワークへの設定を行います。ここが一番悩んだところです。初期設定は、「Network 」及び「Network Search」はどちらも「Auto」ですが、それぞれ「Manual」設定に変更してみたりしたのですが、これがナカナカ上手くいきませんでした。
 「Auto」+「Auto」の設定など、何種類かの組み合わせを試して、それぞれ保存して、アクセスしてみましたが、「No Service」表示続きで苦戦しました。一瞬、3G/NTT DOCOMOの表示が出るのですが、「No Service」のに戻るという感じです。
 
 最終的に、「Auto」+「Manual」設定にして、「Network Search」の「Manual」設定、「DOCOMO 4G」を選択して、OKをしたら、「Successful」表示が出ました。ただし、端末や「管理画面」は、相変わらず「No Service」という表示でした。2~3分置いておいたら、「HUAWEI E5375」の端末の表示、3G表示とアンテナが立ち、しばらくしたら4G表示に切り替わりました。都合、5時間近い、悪銭苦闘でした。「気の短い」日本人向きではなく、慌てず待つ、悠長に構えることが必要なのかも・・・。
 
⑥ ただ、ドコモのMVNO/iijのSIMカードで、LTE接続が出来たのですが、電源入れっぱなしなら、全く問題無く、高速データ通信ができます。ただ、一旦、電源を切って、入れ直した場合、やはり一旦、「No Service」の状態になります。
 この場合、iPhoneなどのスマホで、WiFi接続で、「HUAWEI-E5375-60**」を選んで、接続リクエストをかけたら、「4G/DOCOMO」の表示に変わり、接続は回復します。
 このWiFiルーター、電源を入れて、すぐには繋がらないというか、チェックなどの待機時間が必要な設計なのかもしれません。電源を入れ、3~4分待っていれば、「No Service」→「4G/DOCOMO」になり、接続を開始する場合も多いので・・・。
 デフォルト設定は、中国移動通信用、しかもTD-LTE方式がメインなので、その設定を全て変更できていない可能性も有ります。もう少し、いじりながら研究してみる必要がありそうです。
 
「HUAWEI E5375」の接続速度は~ドコモのMVNO/iijでテスト

 結局、丸2日かけて、前記のように色々設定をしてみたところ、ドコモのMVNO/iijのSIMカードでLTE接続に成功しました。

 ドコモの4G=LTE、自宅の地域は、現在、B1=2100MHzのサービスとなっています。ということで、「HUAWEI-E5375」は、サポート対象外、B1の周波数を掴んでいることになります。
 更に、色々チェックしていますが、B1=2100MHzがOKだけでなく、B8/B20にも対応しているようで、AUの800Mhz帯もいける感じです。中華ルーターの面白さは、規格外にあるのかも・・・  

 ということで、速度計測をしてみました。AUのMVNOのSIMカードを挿しているiPhone5sをWiFi接続に切り替えてチェックしました。下記の写真のとおり、下り24.54Mbps、上り17.44Mbpsと劇速です。予想以上に速くてビックリです・・・。また、連続接続時間、約6時間ということになっています。

 普段、日本で使いたい便利なルーターですが、残念ながら「技適」を通過していないのです。制度改正が動いているようですが、堂々と使えるように、早く制度改正して欲しいですね。
 いずれ、AUのSIMカードに差し替えて、チェックしてみますが、LTEの800Mhz帯でも接続できそうです。日本は「技適」の絡みが有りますが、今後、香港、中国本土、ヨーロッパ、新興国では、かなり快適に使えるWiFiルーターではないかと思います。


◎ HUAWEIのWEBサイトなどを参照して、下記に、「HUAWEI E5375」の対応周波数をまとめてみました。(公式発表とは違いますから、参考までに)

WiFiルーター=「HUAWEI  E5375」 対応周波数

◎FDD-LTE/4G
800/900/1800/2100/2600MHz
◎TD-LTE/4G
1900 /2300 / 2600MHz
◎W-CDMA/3G
◎TD-SCDMA/3G
850/900/1900/2100MHz
◎GSM/GPRS/2G
850 / 900 / 1800 / 1900MHz

 「HUAWEI E5375」は、中国移動通信がHUAWEIと提携して、セット販売のSIMフリー端末です。香港での使用を意識して、対応周波数も設定されているようですので、香港では、「中国移動香港」や「SmarTone」のSIMカードなどで、4G=LTE通信が簡単にできるようです。

◎ 設定に使ったAPN情報・・・

1. ドコモ本体のSIMの場合

User name・Password:空白
APN:mopera.net

2. ドコモのMVNO/iijのSIMの場合

User name:mio@iij
Password:iij
APN:iijmio.jp

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